市民公開講座 『脳の神秘への挑戦!』 〜高校生のための脳科学入門〜

演題名

「モノを見る脳の仕組み — 物体像は脳の中でどのように表現されているか

講演要旨

私達の研究室では、モノを見るための脳のメカニズムの研究を行っています。皆さんは、それが時間と労力をかけて研究するほど面白いのか不思議に思うかもしれません。それもそのはずです。私達には、当たり前のように、目に写る様々なモノが何かわかるのですから...

でも、本当に当たり前でなんでもないことなのでしょうか?

ためしに上の写真に写っているバナナを、私達が「脳」で捉えているか考えて見ましょう。多分、皆さんの頭で捉えた(と思った)バナナは、きっと、こんな感じでしょうね。

でも、実際に皆さんの目に映ったバナナは、こんな感じですよね!

もし、目の前のバナナに手にとって見たら、上のような半かけバナナだったら、さぞかし、びっくりするでしょう。私達は、こんな風に目で見えたそのままを見ているのではありません。脳は、目に映る光景を補ったり、修正したりして、私達が感じるモノに変換しています。そういう脳の仕組みを私達は理解したいと思っています。その第一歩として、目に映る物体のイメージが脳の中でどのように表現されているかについて話をしましょう。

講師略歴

谷藤 学

大阪大学卒業。大阪大学基礎工学研究科退学。工学博士。生理学研究所、福井大学等を経て、現在、理化学研究所・脳科学総合研究センター、脳統合機能研究チーム・チームリーダー。
研究室URL: http://www.riken.jp/lab-www/ins/index_j.html