私達の研究室では、モノを見るための脳のメカニズムの研究を行っています。皆さんは、それが時間と労力をかけて研究するほど面白いのか不思議に思うかもしれません。それもそのはずです。私達には、当たり前のように、目に写る様々なモノが何かわかるのですから...
でも、本当に当たり前でなんでもないことなのでしょうか?
ためしに上の写真に写っているバナナを、私達が「脳」で捉えているか考えて見ましょう。多分、皆さんの頭で捉えた(と思った)バナナは、きっと、こんな感じでしょうね。
でも、実際に皆さんの目に映ったバナナは、こんな感じですよね!
もし、目の前のバナナに手にとって見たら、上のような半かけバナナだったら、さぞかし、びっくりするでしょう。私達は、こんな風に目で見えたそのままを見ているのではありません。脳は、目に映る光景を補ったり、修正したりして、私達が感じるモノに変換しています。そういう脳の仕組みを私達は理解したいと思っています。その第一歩として、目に映る物体のイメージが脳の中でどのように表現されているかについて話をしましょう。